【ちょっとだけ怖い話】
昨晩、仕事でメディア系シンクタンクの代表と会食する機会がありました。名刺の肩書きとは裏腹に、とてもフランクな方で、大学時代は山岳部に所属されていて、お互いに登山経験者なので、お酒も入って会話も弾みました。
その会食の席で、ちょうど今から一年前に起こった、山口県で2歳の男児が山で行方不明になって、警察や消防が総動員で捜索騒動となった話になりました。
この事件の顛末は皆さんご承知の通り、山のスペシャリストでもあるボランティアおじさんが、難航する捜索に合流してから、たったの20分で男児を見つけだし、スピード解決するというハッピーエンドで終わります。
しかしこの事件は、メディアがあまり報道しない、ボランティアおじさんの、極めて冷静沈着で、自然の摂理を知り尽くした機転があったのです。
昨晩の会食の席で、私が初めて聞いた真実は、決して触れてはいけないタブーじゃないと思うし、登山やトレイルに親しんでいる人達には、是非とも知っていただきたいという考えに至り、シェアしたいと思います。
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山道でルートをロストすると、登山経験の浅い人間は谷を降りようとします。さらに人間は『水』に安心を感じて、沢沿いを下ろうとする心理が働きます。
日本のような島国の山岳特性から言えば、沢を下るとやがて崖に出てアウト。最期の力を振り絞って、あえて救出が困難な場に、みずから迷い進んで命を落とします。これが一般的な夏山の遭難パターン。
そうなんです。道をロストしたら明るい尾根を目指さなければなりません。谷を降りてはならないのです。登山経験の浅い大人も子供も同じ行動を取ってしまいます。でもここまでは登山熟練者の常識でしょう。
ボランティアおじさんは、事件現場に到着後、すぐに地形を俯瞰して、幼い男児の行動をイメージして仮説を立てたあと、空を見上げてウォッチしたそうです 。
そこで勝負あり。男児がいる場所に目安をつけ、20分足らずで男児を救出しました。
彼は何を見上げていたのか。。
それは上空を静かに円旋回する『鷲』の動きでした。
狙った獲物の息が絶えた瞬間、自らも生き抜くため、フレッシュなうちに、柔らかい眼球を戴くつもりだったのかも知れません。
この話を聞かされた時に、私は本当にこの男児が助かって良かったと心から思うのでした。
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私が通うヨガスタジオの先生が、よくレッスン前に口グセのように言われます。
『何もかも予測ができる現代社会では、カラダの小さな変化に気付かない、感度の低い鈍感な人間が増えできた』
『人間にとって直感は大切です』と...
おわり